第8回JETRO–SJC共催セミナー 「タイにおける人的資本経営の最新動向と経営戦略の展望」を開催

2026年8月28日、ジェトロ・バンコク事務所とサシンマネジメントコンサルティング日本センター(SJC)は、チュラロンコン大学サシン経営大学院において、第8回JETRO–SJC共催セミナー「タイにおける人的資本経営の最新動向と経営戦略の展望」を開催しました。

本セミナーでは、「人」を企業の持続的成長を支える重要な経営資源として捉え、人的資本経営、健康経営、ウェルビーイングを、企業価値創造や競争力強化にどのようにつなげていくかについて、日本とタイ双方の視点から議論が行われました。

開会にあたり、経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課 課長補佐の河裾淳子氏より挨拶が行われました。

続いて、藤岡資正教授(明治大学/サシンマネジメントコンサルティング日本センター)が、「人的資本経営と企業価値創造:経営の本質に立ち返る」と題して基調講演を行いました。人的資本経営を単なる人事施策や情報開示の問題として捉えるのではなく、「人への投資」を企業の持続的な価値創造につなげる経営そのものの課題として捉え直し、今後の企業経営のあり方について論じました。

また、ジェトロ・バンコク事務所の山崎牧子次長が「日本における人的資本経営及び健康経営について」をテーマに、日本における制度整備や企業の取り組みについて紹介しました。

さらに、一般社団法人社会的健康戦略研究所 代表理事の浅野健一郎氏が登壇し、健康経営およびウェルビーイングを企業経営や社会システムの中にどのように位置づけていくべきかについて解説しました。

企業による実践事例としては、ライオン株式会社 グローバルオーラルヘルスケア事業開発センター 事業推進室 室長の稲葉宏幸氏、およびLION Corporation (Thailand) Limited Deputy Managing Directorの松永大樹氏が登壇し、ライオングループにおける健康経営の考え方や、日本およびタイでの具体的な取り組みを紹介しました。

日本では、経済産業省が「健康経営」を、従業員等の健康管理を経営的な視点から捉え、健康の保持・増進につながる取り組みを戦略的に実践するものとして推進しています。健康経営優良法人認定制度や健康経営銘柄などを通じて、「人への投資」を生産性向上や企業価値向上につなげる取り組みが広がっています。

こうした日本で蓄積された知見を海外にも展開する動きが進んでおり、タイにおいても、日本の健康経営優良法人認定制度や国際標準等を参考としながら、健康経営やウェルビーイングに取り組む企業を評価・顕彰する仕組みの普及に向けた取り組みが進められています。

会場には、JR、日立、AOTS、いすゞ、神姫バス、YN2Tech、兼松、PERSOL、ASIA SEED、北陸銀行、JBIC、Hutzperなど、日系・欧米企業および政府・関係機関から約50名の経営幹部・実務責任者が参加し、人的資本経営や健康経営の今後について活発な意見交換が行われました。

今回のセミナーは、人的資本経営、健康経営、ウェルビーイングを個別の人事施策や福利厚生施策としてではなく、「人への投資」を企業価値と持続的競争力へ結びつける経営課題として捉え直す機会となりました。今後、タイにおいても、人材の健康、能力、エンゲージメントを含む人的資本への投資を企業経営の中核に位置づける動きが、さらに広がることが期待されます。


紫藤会/SHITOKAI

学問は人の幸福に資するものではなくてはならない。 幸福とは何か?美しさとは何か? 経営学の可能性を信じて御茶ノ水から世界へ。

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